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探偵学校と新米探偵

探偵という存在は本当にピンからキリまでという言葉が相応しいと思います。

誠実に調査を遂行する人物もいれば、自身が楽をするために怠けてばかりの存在までいるのです。

長く探偵業界に身を置いていると様々な探偵?という存在と時間を過ごすことになります。

新人と呼ばれる存在は世間的には経験不足の見習いという存在なのですが、探偵業界も学校なる商売が存在し、必要となる業務を経験する場が設けられるようになってからというもの、「探偵学校を出ている存在は即戦力」と間違った認識を与えてしまっている傾向が強いと思います。

探偵学校を否定しませんが、見習い探偵に任せられる業務はかなり限定され「即戦力は皆無」という意見を耳にすることがお決まりなのです。

見習い探偵には、初期段階であるがゆえに、任せられる業務はかなり限定された範囲に制約されることが一般的です。これは、経験を積みつつ専門的なスキルを磨くための段階的なプロセスを反映しています。

まず第一に、見習い探偵は広範な情報収集業務を担当します。これは、データベースの検索や公的な記録の調査など、基本的な情報の収集から始まります。見習い期間中には、個々のケースにおいて必要な情報を的確に集めるスキルを身につけます。

また、証拠の整理や基本的な調査報告書の作成も見習い探偵に課せられる業務の一環です。これにより、調査の進捗を管理し、結果をクライアントや上司に適切に報告するスキルが育まれます。

見習い探偵は、フィールドワークにも携わりますが、まずはオフィスでの基本的な業務からスタートします。これには、クライアントとの連絡や面談、基本的な調査計画の策定が含まれます。クライアントの要望を理解し、調査の方針を確立することが期待されます。

一方で、見習い探偵にはまだ経験が浅いため、危険な状況への介入や複雑な捜査活動の主導は避けられることがあります。安全性を確保しながら経験を積んでいくため、初期段階ではより安定した業務が重視されます。

総じて、見習い探偵に任せられる業務は、基本的で経験を積むためのものが中心です。しかし、これらの任務を通じて基礎的なスキルを身につけ、将来的にはより高度な業務に携わるための土台を築くことが期待されます。

どこでどのような職業についていても新米は新米であり、ハッタリは必要ありません。

出来なくて当然の期間に出来るふりをすることは、大切な経験を飛ばしてしまう「損」が発生してしまうのです。

こと探偵は少し変わった感じの人物が少なくなく「皆、ハッタリをかます」ことがあるのです。

ベテランと呼ばれる存在からみれば「かわいい背伸び」なのですが、度が過ぎて「出来ない業務を出来る」とハッタリをかます人物は厄介者としか言いようがないのです。

はっきり言いますが、仕事は「数多くの失敗経験がある新米がベテランになった探偵」と「探偵学校を卒業して探偵学校で教わったことが重要でバイブルと考える」人物とでは、比較にならないほどの差が多くの業務において存在してしまいます。

稀に大きな勘違いを持った人物が存在し、「探偵学校を出れば探偵として即戦力になれる」などの寝ぼけた触れ込みを信じている方も存在するのです。

探偵学校で学べること

探偵学校では、学生たちが犯罪解決のプロフェッショナルとして成長するために、様々な分野で深い知識と高度なスキルを養います。その中でも、特に重要なキーワードがいくつかあります。

犯罪心理学は、学生が犯罪者の心理や動機を理解し、犯罪行動を的確に分析するための基盤を提供します。異なる犯罪の心理的背景を学び、犯罪者の行動の背後にある複雑な要因を解読できるようになります。

法律知識もまた欠かせない要素であり、学生たちは法的な基礎知識を身につけ、厳密な法律に基づいて捜査を進める能力を養います。証拠の取り扱いや法的手続きに精通することが求められます。

技術的スキルは近年ますます重要性を増しています。学生たちは情報技術やサイバーセキュリティに関する知識を深め、デジタル環境での捜査が可能なスキルを磨きます。デジタルな手法を用いて犯罪を解明する能力が求められます。

対人スキルも重視され、コミュニケーションや対話のスキルを向上させる訓練が行われます。目撃者や関係者との効果的な対話を通じて、情報を的確に引き出す能力が育まれます。

観察力の養成は、微細な変化やパターンを見逃さないようにするために重要です。探偵学校では状況把握の訓練が行われ、学生たちは物事を正確に捉える能力を向上させます。

偽装解読もまた探偵の必須スキルであり、学生たちは様々な手法を学び、偽りの情報を見破る力を養います。

最後に、リサーチ能力が挙げられます。探偵は様々な情報源から情報を収集し、犯罪解明に貢献します。リサーチのスキルを高め、正確で迅速な情報収集が可能な探偵に成長することが期待されます。

これらの要素が組み合わさり、学生たちは犯罪解決において幅広い視点からアプローチし、プロフェッショナルとしての実力を発揮することが期待されます。

探偵学校は私が探偵事務所に見習いで所属した20年以上前には存在していなっかったと記憶しています。

そう考えても探偵学校という商売が成立して、たった20年ほどの期間しか経っていないのです。

ある時、探偵学校の教材を秋葉原の電気屋で教えてもらいましたが、あり得ないアナログ受信機を使用し、アナログ周波数帯の盗聴確認が授業の教材としていまだに取り入れられているということでした。

正直なところ、盗聴確認はアナログな時代ではありませんから探偵の授業として相応しい内容とは言えないでしょう。

そして、素行調査等に必要な尾行術も現場での基本を熟知していない人物がマニュアルを作ったものであるケースが少なくなく、一番重要な調査対象者との「距離感」を重要視していないおかしな尾行術やおかしな張り込み法を教材としているのです。

これ以上、探偵学校を否定しても仕方がありませんが、一言で探偵学校は探偵事務所の収入源の一つであり、結局のところ、探偵学校を出てすぐに実践可能な探偵業務は皆無が個人的な意見です。

探偵学校で学ぼうとする意欲は尊敬に値しますが、探偵学校に問題がある場合が多い事を認識した上で入学を考えるべきでしょう。

教える探偵の技量にも関係するお話しなのですが、教材に関しても作成した探偵の技量が基準になっていることが明らかである以上、教える人物の探偵としての技量が問われることは当然と言えるのでは?なかろうかと個人的には思っているのです。

もし、あなたが探偵に興味があり、本気で探偵学校に入学したいとお考えならば、十分に吟味して「学費に見合った内容であるか?」を時間を掛けて精査することをお勧めするところです。