浮気の疑いがある人物を自身の力によって尾行する行為はリスキーであり、法律に触れる危険性を秘めています。
素行調査は探偵や専門家に委託するべきであり、自分で行うことは大変危険です。この種の調査には様々な法的および倫理的なリスクが伴います。以下に、自己での素行調査が危険である理由について詳しく説明します。
まず、法的制約とプライバシーの侵害が大きな懸念事項です。素行調査は対象者の日常生活に深く介入するものであり、その過程でプライバシー権が侵害される可能性が高まります。法律的な規制を無視して調査を行うことは、重大な法的問題を引き起こす可能性があります。
また、自己で行う素行調査は、身体的な危険や脅威にさらされる可能性があります。対象者が調査の存在を知った場合、怒りや敵意の対象となることがあり、これが危険な事態を招く可能性があります。探偵や専門家の方が訓練を受けており、リスクを最小限に抑える方法を知っています。
さらに、情報の正確性と解釈の困難性も挙げられます。素行調査は複雑で繊細なプロセスであり、経験のない者が行うと正確な情報を得ることが難しくなります。また、得られた情報を正しく解釈し、客観的に判断する難しさもあります。
自己での素行調査では、法的手続きの知識や経験が不足していることがあります。探偵は法的な制約に詳しく、証拠を収集する際に適切なプロセスを踏むことができます。一方、自己で調査を行う場合、法に違反する可能性が高まります。
最後に、自己で素行調査を行うことは、個人的な感情や先入観の影響を受けやすいという問題もあります。探偵は客観的かつプロフェッショナルな視点を保ち、調査を進めますが、感情的な関わりがある場合、客観性が損なわれる可能性があります。
総合的に考えると、素行調査は専門家に委託するべきであり、自己で行うことは危険かつ法的に問題が生じる可能性が高いです。プロの探偵が経験と知識を活かして、クライアントの期待に応えるより安全かつ効果的な方法で調査を進めることが望ましいです。
そして、ご自身で尾行をしたとしても、失敗ばかりで「浮気の証拠」や「不倫の証拠」をスムーズに取得するには程遠い状況となるでしょう。
そもそも探偵が実施する素行調査が簡単に出来る行為ならば、多くの探偵はとっくに廃業しているはずです。
なぜご自身でやると失敗して危険なのか?その理由を列記したいと思います。
1.尾行(撮影)の訓練をしていない
探偵の尾行はただ尾行するのでなく、撮影を伴った尾行です。
尾行や撮影の訓練を受けていない者がこれらの任務に従事することは、様々なリスクや問題を引き起こす可能性が高まります。尾行はプロの探偵や調査員によって慎重に計画され、特定のスキルと専門知識が必要な作業であるため、未訓練者による試みは重大な結果を招く可能性があります。
まず、尾行の技術や戦略に関する知識の不足が挙げられます。尾行は単なる後をつける行為ではなく、標的を観察し、行動を予測する高度なスキルが求められます。未訓練者は適切な尾行技術を理解しておらず、標的に察知されたり、自身の安全が脅かされる危険性が高まります。
さらに、法的な規制やエチカルなガイドラインの不理解が懸念されます。尾行活動はプライバシーや個人の権利に関わるため、法的な制約を遵守することが不可欠です。未訓練者がこれらの法的な要件を無視すると、法的な責任を問われる可能性があります。
また、標的との接触や危険な状況への対処の未経験も問題となります。尾行中に標的に気づかれた場合や、意外な事態が発生した場合、冷静に対処し安全を確保するスキルが必要です。未訓練者はこれに対処する経験が不足しており、混乱や危険を引き起こす可能性があります。
さらに、適切な撮影技術や機材の選定の難しさも挙げられます。標的を確実に捉えるためには高度なカメラ技術や適切な機材が必要です。未訓練者はこれらの要素を理解しておらず、証拠としての有効な映像や写真を得ることが難しいでしょう。
総じて、尾行や撮影の訓練を受けていない者がこれらの任務に従事することは、法的な問題や安全の危険性を含みます。プロの探偵や調査員によるトレーニングと経験がない限り、これらの任務に携わることは慎むべきです。
証拠を残すためには撮影が必要であり、尾行しながら上手く撮影するには訓練や練習、実戦での経験が必要です。
こういった経験のない人がやると簡単に対象者を見失ったり、尾行や撮影がバレたりしてしまいます。
2.実際の素行調査の経験がない
経験がある人と経験が全くない人では、普通は大きな差があると考えられます。
同じ探偵でも、ベテラン探偵と新米探偵には差があります。
さらに探偵は責任のある仕事として素行調査の経験を積んでいるのであり、そういった経験が全くない人が探偵と同じことをしようとするのは無謀と言えるのではないでしょうか。
3.自分の良く知っている人を尾行しようとしている
尾行はいつも対象者を背後から遠目に見ながら行うわけではありません。
実際の尾行では対象者のすぐ近くにいるケースもあります。これは顔を知られているとできず、実際に仕事として尾行をする場合は致命的です。
変装すれば何とかなるかもしれませんが、旦那さんや奥さんに近くで見られても自分の変装が絶対にバレない保証はないでしょう。
4.これらをぶっつけ本番でやろうとしている
練習も何もしていない、一度もしたことがないことを何でも一発で成功できる自信がありますか?
普通はそこまで自信をお持ちの方はいないと思うのですが、浮気されている方などの中には冷静さを失ってカッとなってしまい、慎重な判断ができなくなる方もいらっしゃいます。
もしくはドラマや小説などでは知っている人を尾行してしまうので、その影響で簡単にできそうに思えてしまうのかもしれません。
5.尾行がバレた後に探偵に依頼すると高額になる
一度尾行がバレてしまうと警戒されてしまい、次に探偵が尾行しようとしても困難な状況となり成功確率が下がってしまいます。
そのため調査員の増員や回数が必要となり、必要なかったはずの高額な費用が余計にかかってしまいます。
6.自分で尾行するのは法的にグレーゾーン
探偵は探偵業法によって仕事で尾行・張り込みすることが認められていますが、探偵以外の人(警察などは除く)は認められているわけではありません。
尾行自体は直ちに違法となるものではないですが、一歩間違えば「つきまとい」等のストーカー規制法違反や迷惑防止条例違反といった犯罪となります。
尾行のプロと素人の違い
ここでプロの探偵が実施する尾行と一般の方の尾行の大きな違いを説明しますと、調査対象者との「距離感」の取り方に大きな差が出てくると思います。
仮に第三者が周囲に数多く存在し、調査対象を見失いかねない状況下で距離をとってしまえば、ベテランの探偵であっても調査対象者を見失う可能性が高いのです。
調査対象者との距離感を経験から判断して的確に把握することが重要なポイントであり、この感覚を持たない人物が尾行を行えば高確率で尾行は失敗してしまいます。
探偵であれば誰でも当たり前に知る「探偵の基本中の基本」であり、初歩にしっかり学ぶべき感覚の一つと言えます。
探偵に憧れて探偵の仕事に就く人物が食っていけるか?もこの感覚が大きく関わっており、この感覚が鈍い人物は尾行の失敗が多発し「探偵失格」の烙印を押されてしまいます。
近すぎず遠すぎずを繰り返し、シチュエーションに適した距離を保ち尾行を継続するテクニックが最もベーシックで尾行調査に必要とされるのです。
※関連項目