私立探偵(しりつたんてい、Private Detective)は、一般的には法的な許可を持ち、民間の個人や法律事務所、企業、政府機関などのクライアントに対して調査サービスを提供する専門家です。彼らの主な役割は、情報収集、調査、証拠の収集、不正行為の証拠の見つけ出し、紛争の解決など、さまざまな調査活動を行うことです。
私立探偵の主な業務および役割には以下のものが含まれます:
- 不正行為の調査: 夫婦間の浮気、企業内部の詐欺、従業員の行動調査など、さまざまな不正行為に関する調査を行います。
- 背後調査: 個人や法的対立の当事者についての背後調査を行い、関連情報や証拠を提供します。
- 行方不明者の捜索: 行方不明者の捜索や家族の連絡を取るための助けを提供します。
- 裁判証拠の収集: 訴訟事件において、証拠を収集し、訴訟の準備や弁護士の支援を行います。
- 背後調査: 特定の個人や組織についての背後調査を実施し、情報を提供します。
- 監視と写真撮影: 特定の対象の行動を監視し、写真や映像を撮影して証拠を収集します。
- 保険詐欺調査: 保険金詐欺を調査し、不正請求や不正行為の証拠を提供します。
私立探偵は、法的な規制と倫理規定に従う必要があり、一部の国や地域ではライセンスを取得することが必要です。探偵の仕事はプライバシーに関する法律や盗聴などのプライバシー侵害に関する法令に違反しないように慎重に行われなければなりません。また、情報収集と証拠収集のためにさまざまな調査技術や技能を使用することが一般的です。
緊急の法的な問題がある場合、弁護士や法的専門家が私立探偵を雇い、証拠の収集や調査を支援することがあります。
警察と探偵を分けるため?
私立探偵という言葉が生まれた理由は諸説ありますが、一つ考えられることとして警察と探偵を分けるためという理由があります。
警察が公立探偵で、探偵が私立探偵という考え方です。
警察と探偵は大きく異なります。
警察も探偵と同じように調査をすることがありますが、あくまで事件性があったときのみです。
たとえば成人した子どもが家出をしてしまったのか帰ってこない、探してほしいと警察に依頼しても動いてくれません。
ただの親子喧嘩だろうと見られ、事件性が低いと判断されやすいからです。
しかし小さい子どもが遊びに行って、夜になっても帰ってこないとなれば事件性が疑われます。
もしかしたら不審者に誘拐されたかもしれないなどと、事件性を疑い警察は動くこととなります。
警察は事件性があるとき、もしくは実際事件があったときしか動きません。
そのため事件性がないときは、探偵に依頼することになります。
探偵業の許可を受けているか
成人した子どもが家出をして帰ってこないから、探偵に依頼して探してもらおうと考えたとします。
この際、まずどの探偵に依頼するか探すことになりますが、どの探偵でもよいということではありません。
中には探偵と偽って、許可なしに探偵業を行っているところもあります。
悪徳な人に依頼すると、調査ができなかったが依頼料はもらう、調査をした際に手間がかかったから追加で費用を請求するなどと大きなトラブルになります。
探偵業とは、個人もしくは民間の業者が行っていることです。
そのため私立探偵と呼ばれる諸説もありますが、探偵業を営むためには届け出をする必要があります。
誰しも探偵業を営むことができるということではありません。
探偵業を営むためには条件があり、加えて各都道府県の公安委員会への届け出も義務付けられています。
中にはこの届け出をせずに、勝手に探偵業を営んでいる悪徳な人もいるので注意しましょう。
適切な教育を施している私立探偵は安心
私立探偵を営むためには、さまざまな条件があります。
探偵になるためには特別な専門資格は不要です。
しかし探偵業者は従業員に対して、探偵業務を適切に行えるよう教育を行わなくてはいけないと定められています。
探偵に依頼するときはその探偵がしっかり教育を受け、また業務をしっかりこなすことができる人か見極めなくてはいけません。
これまでの実績がホームページに記載されている、また口コミでもよい評価がされている場合、安心して依頼できるでしょう。
制限された中で調査し結果を出す私立探偵
探偵だからといって、なんでも調査をしてもよいということではありません。
調査業務を行う際には、慎重な倫理と法的な視点が不可欠です。全ての事柄において調査を行ってもよいというわけではなく、探偵は一定の法的制約と倫理的なガイドラインに従わなければなりません。以下に、何でも調査をしてもよいという前提はない理由について詳しく説明します。
まず第一に、プライバシーの権利尊重が不可欠です。調査対象者も一定のプライバシー権を有しており、これを侵害することは法的に問題が生じる可能性があります。悪意のない調査でも、無断で個人のプライベートな情報を取得することは許容されません。
また、違法行為への関与や助長は厳に慎むべきです。探偵は法を守り、違法な行為への加担やその手助けを行ってはいけません。合法的かつ倫理的な手段での調査が求められます。
さらに、不正確な情報の提供や捏造は避けなければなりません。探偵がクライアントに対して意図的に事実と異なる情報を提供することは、信頼性の欠如となり、法的な責任を問われる可能性があります。
調査はまた、合法的な範囲を逸脱しないように注意が必要です。法の範囲を越えた捜査や違法な手段の使用は、調査者自体に法的なリスクをもたらすことになります。
最後に、倫理的な観点も欠かせません。クライアントの期待に応えるためには、正当な目的でのみ調査を行い、倫理的な基準に則った行動が求められます。公正で誠実な態度が、信頼されるプロの探偵としての地位を確立します。
総じて、何でもかんでも調査を行うことは慎むべきであり、法的・倫理的な原則を尊重しながら、正当な理由や合法的な手段での調査を行うことが重要です。
警察と異なる点でもありますが、令状を持って住居に入って調査をするなどの侵入調査は認められません。
たとえば浮気相手の住居に侵入して盗聴器を仕掛けるといったことは禁止されています。
尾行調査や素行調査など、制限されている中でもうまく調査をする術を身に付けている探偵はプロです。
秘密厳守も大切
私立探偵としてやっていくために、秘密を守ることも重要です。
調査のために依頼人から聴取した内容など、第三者にばらしてはいけません。
調査が完全に終わったら、調査のために知りえた情報を破棄するなど徹底している私立探偵もいます。
口が堅い探偵には安心して依頼できます。