尾行による素行調査を行う探偵にとって体力は重要な要素のひとつと言える。
まず開始場所においてもいつ出てくるか判らない対象者を待つことから始まる。
いわゆる張り込みである。ただひたすら待つ。
そして対象者が出てきて尾行となる。
ゆっくり歩いてくれれば問題ないのだが時には小走りに移動する場合もある。必然的にこちらも小走りとなる。
対象者はどこかの喫茶店か飲食店に入る。ゆっくり座って飲んだり食べたりしているのかもしれない。しかし、探偵は特命がない限り、同じ店に入ることは基本的にしない。出入口の見える場所で張り込みの開始である。もちろん、その前に店に周辺を確認し別の出入口や状況を確認する。
例えば浮気相手と喫茶店で待ち合わせしていたとする。
1時間後に2人で出てきた。再び尾行する。
そしてレストランに入り、軽くお酒を飲み、食事をしている。
探偵は同じようにひたすら表で張り込む。
2時間後に2人はレストランから出てきて歩き出す。尾行を開始する。
そして2人はラブホテルへ。
2時間で出て来るか宿泊するかも判らず、ひたすら張り込む。
ホテルの中の2人はとにかく楽しんでいるのだろう。その後、寝てしまっている人ももちろんいる。
外で張り込む探偵にとっては状況が極寒だろうか猛暑だろうが大雨、大雪でも関係ない。
ひたすら待つことなのである。
何時間後にやっと2人が出てきた。
そして別れる。しかし、尾行はまだまだ続く。
浮気相手の特定である。
対象者と会っていた浮気相手の家を突き止めなければならない。
更に尾行が続く。まっすぐ帰宅してくれれば良いのだが。
この井連の状況が10数時間続くことがある。イヤ、24時間以上の時もある。
体力がものをいう職業なのは理解して貰えたかと思う。
健康管理も体力の一部なのである。