素行調査を携わっている探偵にとってたまに遭遇するのが警察官からの職務質問である。
対象者がどこかの店舗やホテルなどに入った場合や自宅や勤務先から出てくるのを待っている場合、長時間、張り込みをしなければならない。目立たず観察できる場所が限られてしまうケースも多い。そうなると長時間、同じ場所で張り込みを続けなければならず、近隣から怪しまれ、警察に通報されてしまう。
現在では調査員は全て所轄警察署に登録してあるので駆けつけた警察官とのやり取りも短時間での対応で済む事が多い。以前は張り込み場所の所轄警察署に同行を求められた事もある始末。そうなると張り込みどころではなく、その日の調査も無駄になることもあったのだが少しは改善されている。それでも周辺からは怪しい目で見られ、また通報されたことで張り込み場所を移動してほしいと警察官から懇願される。業務でしていることは理解してくれるのだが通報が続くと警察としても応対しなければならないのだそうである。
通報した近隣にも探偵という事は言えず、見づらいくても場所を移動しながらも依頼遂行の為に張り込みを続けなければならない。
対象者ばかりでなく、近隣からも目立たず、怪しまれず、張り込みを続けなければならない探偵はプロ意識がないと続くことは出来ない。