侍の独り言・銀座の素行調査

探偵にとって鬼門の場所がいくつかあるはずである。

東京で探偵をしている侍も過去、何度も煮え湯を飲まされた場所がある。

東京の銀座である。

特に夜の銀座の高級クラブが立ち並ぶ地域には閉口してしまう。対象者が銀座の夜の街に赴くと素行調査において弊害がいろいろとある。

尾行してきた対象者が銀座のソシアルビル(クラブやバーなどが入っているビル)の3階にある高級クラブに入ったとする。

まず警戒しなくてならないのが黒服やポーターと言われる各店舗の男性店員である。馴染み客であると1階にいるそのような男性店員より案内される場合がある。一緒にエレベーターに乗り込むことが難しくなる。仮に対象者が入店したお店を特定したとしても店内に入る事はまずできない。普通の居酒屋やスナックであれば少し遅れて店内に潜入しどのような人物と接触しているのか、確認する事はできるのだが銀座の高級クラブでは一見お断りが多く、潜入などはなかなかできるものではない。

その後はそのビルでの張り込みである。黒服やポーターがうろうろしているビルの近くで張り込まなければならないのである。

これがかなり困難でもある。対象者はものの30分くらいで出てくる時や3時間、4時間と在店している場合もある。一時も目が離せないのである。しかも、黒服やポーター達に警戒されないようにしなければならない。

上手く張り込みができたとして対象者が出てきても黒服やポーターに警戒しながら状況を把握して尾行をするのだがその際にも黒服達に対象者を追跡していると悟られないよしなければならない。女の子を通してあとあと尾行の事実が対象者に告げられでもしたら失敗したも同然である。

更に対象者が駅に向かい電車を利用してくれれば良いのだがそんなに都合良く電車を利用してくれるとは限らない。むしろ高級クラブに行けるだけの対象者だと殆どがタクシーである。1日で調査が終わるとは限らないからである。

銀座は夜間、一方通行などの規制がかかる。またタクシーを拾える場所も様々である。

タクシー乗り場にしてもその後に向かう目的地の方向によって場所は異なってくるし、お店でタクシーやハイヤーを呼んで待機してもらっている場合もある。

タクシー乗り場に行ったらすぐに後に並ばなければならないし空車が続いてあるとは限らない。また探偵車両も用意してあってもその場所までに回すのに時間が掛かってしまう場合もある。何しろ一方通行などの道路規制によって場所によっては遠回りをしなければならないのである。

また待機させているタクシーやハイヤーに乗られた場合も同様である。そのような場所で空車を拾うのは困難だからである。

日頃から銀座の夜の状況を理解し把握していないと東京で探偵はできないのである。ただ限られた調査員数でこのような状況を打破して尾行を成功させるには厳しいものがある。

たまに夜の銀座の街中を中型や大型バイクを押している人間がいる。周囲に目立っているが侍と同じ探偵かも知れない。なぜ大型バイクかって。小回りのきく小型のバイクの方が楽でしょうって。小型バイクだと対象者が乗り込んだタクシーが高速道路に入ったらそれまでなのである。

まだまだ一部しか書けなかったが本当に夜の銀座は探偵泣かせの街なのである。

 

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